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第20章 輩後 章32第
タバコを揉み消した俺は、再び箒を持って破片を片付ける。
飲食店やってたら、グラスを割ることは珍しいことではないが、1日に2回っていうのはさすがに初めてかもしれない。
まぁ俺がやったわけじゃない…が。
粗方の締めの作業は桜がサッとやってくれてたみたいでそこまで残ってない。
店内を見渡したあと、俺はソファーに腰掛けて天井を見上げた。
………あいつ、なんであんな不機嫌だったんだ。
葵が世話のかかるやつだから、忙しいのも相まってイライラしてたのかもしれない。
だが、グラスをわざと割るほど、だろうか。
そして泣くほどのこと、だろうか。
どうも納得がいかなくて、他にも色々と考えるが思い当たることがやはりない。
時間も遅いが、桜んちに行くか…
いや、今日はもう敢えて何も言わずにしとくか?
……てか…ヤケ起こして、北野とか他の男と一緒にいたりしねぇ…よな…。
そんなことを思ってからというもの、嫌な方向へと考えてしまって、いてもたっても居られなくなり、ソファーから立ち上がった。
ここでじっと考えてたってしょうがねぇ。
桜の家に行くことにした俺は、店の戸締りをして外へ出た。
さすがに…今から行く、くらいのことは電話しておいた方がいいか。
そう思って桜に電話しようとした瞬間にスマホが鳴り出したので、思わずスマホを落としそうになった。