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第21章 現実



もっと気を楽して、


もっと、2人の時間を作ってもいいんじゃねぇか、って、そういうか?


それだと言い方が周りくどいかもしれねぇな……


いや、まぁもちろんそれに嘘はないんだが。


あんまり無防備に隣で眠りこけられると、欲求不満になって辛いんだが、っていうもの大いにある。


そんなことを仮に俺が言い出したら、桜はなんて言うんだろうか。


中年オヤジが何を言い出すかって、引くかもしれねぇ。


まぁ現に俺自身が引いてる、しな……。



理由を言いかけたものの、なんて言えばいいのか困っていると、桜はさらに艶いた視線を俺に投げた。




「店長………シたい」



「……っ…………」



思わずゴクりと唾を飲む。

固まっていると、桜は俺に跨って俺のワイシャツに手をかけた。



「おい……っ」


「ねえ、いいでしょ」



いい……のか…?


いや、そりゃいいんだが、こんな酔ってる奴を襲うのはやっぱり気が引ける。



「さくら……っ…待て」


「──────なんで…?」



なけなしの理性で、桜の手を掴んで動きを阻むと、桜は完全誘惑モードな目で俺をまたじっと見てきた。



「ダメなのっ……?」



おいおい……。


なんの拷問だこれは…。



「ダメとかそういう話じゃ」


「─────やっぱ、若い方がいいんだ」


「は………?」



謎の言葉に俺は思わず腑抜けた声を出すと、桜は急に悲しんだ表情を見せて、ゆっくりと話し出した。



「葵の方が……断然かわいいもんね…っ……」


「あおいぃ…??」


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