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第22章 主い飼 章42第
「いや、俺がお前の気分を損ねるような事をしたのが悪かった」
「………………」
「最近疲れてそうだったろ。だからお前に無理させたくねぇと思って、葵を雇ったんだ。相談すれば良かったのにな。悪かったよ」
まだ髪の濡れた頭を撫でながら、そういうと、桜は両眉を下げて何かに考えを巡らせている。
まぁ、桜の不安はそれだけじゃないっていうの分かっている。
「あと……俺はお前しか見てない」
小っ恥ずかしいと思いながら、そう伝えると桜は軽く目を見開いた。
「それにもし俺のことをロリコン野郎とか思ってんだったら、今すぐ考えを改めろ」
睨むようにキツく桜のことを見ると、桜はサッと目を逸らした。
「………そんなこと、別に言ってないじゃないですか」
耳が赤くなっている桜を見て思わずフッと笑う。
「ならいい。もしかしたら俺が葵になびくとか、そういうバカみてぇなこと思ってんだったら、ありえねぇってことを一応伝えたかっただけだ」
なんでそれを!? っていう図星な顔がたまんねぇ。
「思って…ないです。そんなこと……っ。」
散々昨日騒いでたくせに、誤魔化すような桜をじっと見つめる。
「………店長みたいなおじさん……相手にされませんよ」
俺もそう思うが、な。
肝心のお前がそう思ってないんだろ…?
────────── 自覚ないみたいだけど店長はかっこいいのっ……っ…店長目当てでお店来る人もいるし…!
「そうだな」
昨日の桜の言葉を思い出して、俺は思わず口元を綻ばせながら返事をした。