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第22章 主い飼 章42第



「それに、別に俺はお前の若さに惚れたわけじゃねぇしな」


「えっ……」



桜からしたら突然の言葉に、俺は思わず背を向けた。



「え、じゃねぇよ。ばーか」



そんなことから説明しねぇといけねぇのかと思ったら途方もない。


バカバカしいと思っていると桜はいつものように俺の背中に手をピタッとつけて触れてきた。



「店長」


「ん」


「なんで……私が疲れてるって思ったんですか」


「そりゃ……ここいる時、お前大体いつも寝てるし」



向き直って、そう伝えると桜は、何か合点が言ったような顔をした後、ゆっくりと俺に近付いて、抱き着いてきた。



「ここで寝ちゃうの……疲れてるからじゃない」


「……は……?」



抱きつかれたまま、上目遣いで見つめられて、思わず俺も抱きしめ返す。



ゆらゆらと揺れる瞳を捉えて、桜の言いたいことをなんとか読み取るように見つめる。




「ここ、眠くなるんです」


「……だから、疲れてるから、だろ?」


「そうじゃなくて……」




謎に顔を赤くした桜は、そのまま俺に顔を埋めた。




「桜……?」



真相が知りたくて、問い掛けるが桜は顔を埋めたまま話す。




「落ち着くんです……。『ここ』」



「……………………」



ここって言うのは…


この家って意味なのか、俺の腕の中って意味なのか。




「それで……なんか、眠くなっちゃう…だけです。…………だから……疲れてるわけじゃないです」



そのまま桜はさらにキツく抱きしめてきたので、心臓の高鳴りが桜に伝わりそうで焦った。



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