この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
bloʇbnilᙠ
第23章 さ尊 章52第
そもそも、昨日はいちゃつくどころか店ではずっと桜は不機嫌だったんだ。
「いや、あの……いちゃつくって言うか、なんていうか、すごいお互い気にしてる風だったんで…」
「仕事に集中しろって感じよねぇ」
「あ、いやそんなことはなくて。もどかしいお2人の距離感は見てて萌えました」
訳の分からないことを言う葵にはぁ…とため息が漏れる。
そんなに気にしてた…か……?
いや、まぁ俺は気にしてた、か。
まさか、初日で落ち着きのない葵にまでバレるほどだとは思わなかったが…。
「両想いなのかなぁくらいに思ってたんですけど、お付き合いされてたんですね。本当に素敵!!お似合いです!」
「───もういいから、客席見てこい」
大袈裟な葵にそんなことを言うと、葵はより目をキラキラさせたまま素直に返事をして客席の方へと行った。
「顔に出やすいのは桜ちゃんだけじゃないわよ」
そんな幸の隣で兄貴は、そうかなぁと首を捻っている。
本当変にぐったりしてしまった。
「で……? 桜ちゃんあの後大丈夫だった?」
「大丈夫だった?じゃねぇよ。呑ませすぎだ」
「うーん。ヤケ起こしてみたいで、どんどん一人で呑んじゃったのよねぇ。誰のせいかしら?」
ぐぅの音も出ず、誤魔化すように酒を強めにテーブルに置いた。