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第23章 さ尊 章52第
グラス掴んで幸は一口飲むとふぅーと息を吐いてまた緩く笑った。
「それにしても……桜ちゃんて酔っ払うとよく喋るし、かわいいわね」
「………」
幸の言葉をきっかけに昨日の夜、酔っ払って素直だった桜を思い出して、自分の顔が赤くなるのを感じた。
─────────── すっごく…すっごく好きっだから……!!言っとくけど……っ店長のことこんなに好きなのっ……私だけだから
─────────── 私絶対……誰にも……誰にも渡さないからっ……
確かに、昨日の桜の破壊力は本当にとんでもなかった。
思い出すだけでも心臓を鷲掴みにされるようなそんな苦しさがある。
「そのだらしない顔はなに?」
「…いや、別に」
必死で冷静になろうとする俺の顔をじっと見た幸は、へぇ〜と意味深に呟いている。
「大好き! とか叫ばれでもしたの?」
「───────っ…」
「図星ね。本当分かりやすくて助かるわ」
こいつは千里眼なのだろうか。
そんないいものではないかもしれない。
末恐ろしさからすると、魔女とかの方がしっくりくるかもしれない。
「だからって酔っ払ってる女の子襲うなんて、どうかと思うけど」
「ちがっ…あれは桜が────」
思わず幸に乗せられて反論すると、俺の様子を見て幸は口を開けて楽しそうに笑った。