この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
bloʇbnilᙠ
第23章 さ尊 章52第
「軽い気持ちでカマかけたつもりだったけど、ホントなのね」
「……っ…………」
「そっかぁ、昨日のかわいい桜ちゃんに迫られたら、そりゃ我慢できないわよねぇ」
嵌められた─────
なんでこんなやつに面白がられて俺は私生活を暴露してんだ……。
そして、兄貴がふぇ〜と変な声を出している。
「当たり前だけど……やることやってんだなぁ。そうだよなぁ大人だもんなぁ」
「お前は黙れっ…」
「あの桜ちゃんに好きとか言われて…迫られる…のか……」
そう呟きながら明らかにゲスい想像をしてる兄貴の表情を見て、俺は思わずカウンターから身を乗り出して兄貴に凄んだ。
「な、なんだよ」
「桜で変な妄想すんな。兄貴だろうとなんだろうとぶっ殺すぞ」
ひぇ〜〜とまた情けない声を出す兄貴の隣で幸が笑っているのが聞こえる。
「羨ましいなぁと思っただけだろ? てか妄想しただけで、俺殺されんの? 弟に? ひでぇ話だなぁ…」
半ばふざけた様子の兄貴に、チッと舌打ちを打つ。
頭ん中だろうとなんだろうと、人の女に手を出すなっつーの。
「溺愛に拍車がかかってるわね」
「……どうとでも言え」
「かっこつけちゃって」
頼むから早く帰ってくれ……
一応は客の2人にそんなことを思いながら、俺はひたすらに耐え忍んでいた。