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第2章 面接
その女…桜(さくら)が初めて出勤してきた日。
「これ、制服」
「え、制服あるんですか?」
「ん…まぁ一応」
ワイシャツと黒いパンツ。
別に特別なロゴが入っている訳でも何でもないけど、何となく雰囲気を出したくて買ったものだ。
裏から着替えを済ませて現れた桜は、ぎこちなくそのワイシャツの腕を捲る。
へー…
「似合ってんじゃん」
「……どうも」
照れてるのか何なのか、桜はそう返事をして頭を下げた。
面接の時は座っていたから分からなかったけれど、手も足もスラッとしていて、シンプルな服装がよく似合う。
こいつ目当ての客が増えて、売り上げも少し上がるかも…なんてそんな事を思いながら、俺は桜にグラスを磨くように頼んだ。
「これって……」
「ん…?」
「どうやれば……」
「あ〜…」
クロスを掴んだ俺は、桜の前でその場にあったグラスを一つ磨いてみせた。