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第24章 物い買 章62第
桜は俺が卵をやった方と自分がやった方を見比べて小さく息を吐いている。
上手くいかなかったとからどうとか思ってんだろう。
はじめにしちゃ上出来だけど、俺は黙ったままそれをテーブルに運んだ。
「店長……そっち食べるんですか」
俺が桜の方を食べようとしているのを見て、桜は頭を抱えている。
「ダメなのか?」
「ダメじゃない…けど」
恥ずかしそうに顔を赤らめている桜は、スプーンを掴んで俺が作ったオムライスを食べようとしている。
が、チラチラと横目で俺の様子を伺っているのが分かる。
「んん、うまい」
一口食べて、少し大袈裟にリアクションをすると桜はホッとしたような顔をしている。
「まぁ……店長言われた通りにやっただけだし…そりゃ美味しいですよ」
表情とは逆の、素直じゃない言葉。
そんな様子を見てるのが楽しくて俺はさらにオムライスをかき込む。
「今日は特に美味しく感じる」
「………いいですよ、そんな機嫌取ろうとしないで」
「本気で言ってんだけどな」
まぁ、多少大袈裟ではあるが嘘は言っていない。
「……それは良かったです」
嬉しいのがバレないように、桜はオムライスを食べ進めていた。