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第25章 ち持け掛 章72第
店を締め終えて2階の家に帰る。
ベッドに腰掛けて、両手をうっと伸ばすと、俺は時計をチラと見た。
シフトがない日、桜は大体これくらいの時間に来る。
今日は来るのか。
いちいち伝えてもこないし、俺も聞かない。
だが、今日は来てくれないと困る。
「はぁ〜………」
1人でため息を吐きながら、禁煙のイライラするのを中和しようと努めるがそんな術はない。
とにかく口寂しくて落ち着かない。
1人でいたらおかしくなりそうでならない。
禁煙が辛いのは別に桜のせいじゃないが、心の準備もないまま突然に言うのはやっぱりずりぃだろ……
理不尽な苛立ちを桜に感じながら、俺はスマホを掴む。
………今日来たら、無茶苦茶に抱いてやる。
そんな邪なことを考えていると、突然スマホが震え出した。
しかもまさに桜からの着信で俺は謎に姿勢を正すと、すぐに画面をタッチしてスマホを耳に当てた。
「ん……どうした?」
結局もちろん突然理不尽な怒りをぶつける訳はなく、なんでもないようなフリをしている自分がバカらしくなった。
「あ、も、もしもし」
……少し様子がおかしい…か…?
と、いうか、そもそも桜から電話してくる、なんてかなり珍しい。
それに気付いた俺は怒りなんか吹っ飛ばして急に不安を感じた。