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第25章 ち持け掛 章72第
小っ恥ずかしくて、返答に困っていると、突然脇から「店長!!」と大きな声が鳴り響いた。
びっくりして、俺もなごみも声の方を向く。
すると、なぜか眉間にシワを寄せた葵が俺のことをキツく睨んでいた。
………なんかこいつめちゃくちゃ怒ってねぇか?
いつもワタワタしている変わり者の葵の初めて見る顔に俺は首を捻る。
すると、葵はわざとらしく、はぁーーーっとため息をついた。
「あーほんと、桜さんがいないと本当に寂しいですね!!!」
キツイ口調で叫ぶように話し出す葵に「は?」と返すが葵はむすっとしたまま、再びため息をついて、なごみの隣に手をついた。
「なんていうか、桜さんいないと『Blindfold』って感じがしないというかなんというか!」
「………急になんだよ」
言っていることと、口調のテンションがまるで合っていない。
「店長なんて、彼氏なんですし私なんかよりもっともっと寂しいですよね!?」
大声でペラペラと話し出した葵は、またわざとらしく、「あ!」と声を上げると隣に座るなごみの事を見た。
「普段、桜さんって言うスタッフもいるんですよ」
「………え、えぇ、知ってる、けど…」
葵の圧にやられてなごみも引き攣った笑いを見せている。
「そうなんですね?? じゃあ桜さんと店長が付き合ってて、もーすんごくラブラブだし店長は桜さんにゾッコンってことも、ご存じですかね???」
完全になごみを威嚇するように勢いよく話す葵に、俺は目を細めながら「おい」と声をかけて止めた。