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第25章 ち持け掛 章72第
「……やっぱ久々に来たけどこのお店いいですね」
「ありがとうございます」
「また来ようかな」
そう言ってカバンから財布を出したなごみは多めの札を1枚机の上に置いた。
「おつりは大丈夫です」
「いや、すぐ出しますよ」
「いいんです。私財布膨れるの嫌だし。今度きた時、サービスしてください」
ニコリと笑ったなごみはこちらの返事を待たずにくるりと振り返って立ち去っていく。
その立ち回りはまさに『できる女』そのもので、こんなところで1人で酒を飲むような女じゃない、と思った。
ふぅ…と息を吐いた俺は、改めて葵を見る。
反省してる顔でもしてるかと思いきや、今度は片眉を上げて俺を訝しむように見ているので同じように見返してやった。
「………機嫌悪いのか」
そういうのは桜だけで手一杯だからやめてほしいんだが…
「店長には桜さんがいるんですから! もっと警戒してください!!」
「はぁ??」
「浮気したら私が許しませんから」
冗談なのか、突然格闘の構えを見せる葵に、俺は再び「は?」と言葉を返す。
「客と話してただけで浮気扱いか」
「………ちょっと綺麗だからって顔を赤くしたりだらしない顔してっ…!」
「してねぇよ」
「桜さんの方が何億倍もかわいいのに…!!!! ほんと男ってサイテー!!!」