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第26章 惑疑 章82第
ごちゃごちゃと考えるのが嫌になって、俺は投げやりに送信ボタンを押す。
すぐに既読がついたメッセージをぼんやりと眺める。
今日来ないってなるなら別に俺が時間見つけて会いに行けばいい。
それに………
『大丈夫です、行きます』という桜のそっけない返事を見て、俺は頭をかいた。
「まぁ…だよな」
分かってた展開だった。
無理してようがしてなかろうが、あいつは「大丈夫」としか言わない。
知っていて試すような言葉をかけてしまったことに、少しだけ罪悪感を感じながら、俺は『分かった』とだけ返事をしてスマホを閉じた。
顔が見られるならなんだっていい。
会って、体調辛そうならこの部屋で休ませればいいわけだし。
キッチンに立ってヤカンに火をつけた俺は、コーヒーを1杯淹れて変に焦らされるようなそわそわした気持ちを抱えながら、家の中のことを済ませた。