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第26章 惑疑 章82第
考える間もなく…
完全に反射的に強く抱きしめ返す。
心配だとかそういう感情が一気に昇華され、愛しさだけに支配された俺は、桜の顎を掴みそのまま半ば強引に唇を塞いだ。
「……──────っ…────」
久々の感覚に、じわじわと体の血が巡る。
まんまとやられてて、本当笑えてくる。
いつも思うが、この不意に可愛げを出すのが意図的じゃないとしたら恐ろしくて仕方がない。
まぁ桜がどういうつもりであれ、とにかく俺は桜の前には無力で、途端にしょうもない男になってしまう。
10も年上なんだぞ……
4日ぶりってくらいでがっつく男だと思われるのは流石に…と変なプライドを糧に、少し自身を落ち着かせようと一旦唇を離そうとしたら、今度は桜が俺の首に腕を回し口を開いて舌を入れ込んできた。
「っ………!?……っ…」
「……んっ……」
まずい。
本当にまずい。
またもや予想していなかった桜からの動きに、びくりと身体が快感に震える。
禁煙してからの口寂しさと苛立ちも相まって、俺はそのまま自分を制御できず桜をカウンターに追いやってさらに舌を絡ませた。