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第26章 惑疑 章82第
「んっ……んん」
桜の漏らす声に耳を刺激されながら、さらに深く繋がる。
足りない──────
もっと欲しくてたまらない─────…
完全にスイッチの入った俺は桜を貪るように長々とキスを続けていると、突然腕を叩かれて俺はハッとして桜を見つめた。
「っっ…て…んちょっ………く…っ…くるしぃっ…」
涙目の桜の訴えに俺は慌てて唇を離した。
「っ……悪い」
我を忘れるとはまさにこのこと。
急に恥ずかしくなった俺は、だらしなくなっているであろう顔を桜から背けた。
まだ…
鼓動が激しい。
桜も余程苦しかったのか、荒くなった息を整えているのが分かる。
……まずったな…。
何か言わねぇとって言い訳を考えている間に桜がまた俺の腕のシャツをぎゅっと掴みながら、俺を見上げている。
まともに見たら、またスイッチが入ってしまう気がして桜の方を見れずにいると、少し躊躇いがちに桜が口を開いた。
「………た…つや」
………このタイミングで名前…って
流石に狙ってるだろ…。
桜は、『そういう時』しか俺の名前を呼ばない。
まぁつまりは今、『そういう時』だってことで。
恐る恐る桜の顔を見ると、紅らんだ顔で見つめてくる桜とばっちり目が合った。
「……あの…」
躊躇いがちに……でも中々の威力を放った上目遣いで桜は言葉を続ける。
「………すごく…会いたかったで…す」
「─────…」
「達也も……そう思ってた…?」