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第4章 店お 章3第



その後、幸の店に最近入ったという若い子に話が移って俺はホッと息をついた。




桜の事を眺めたら、幸の話をじっと黙って聞き入っていた。



そして、また、思い詰めたような表情をしている。




「そうそう。そう言えば、その子に『桜子』って源氏名付けてあげたのよ!」



幸は、そういいながら桜に微笑んだ。




「『桜』っていい響きよねぇ。私大好き…」




そうですかねぇ…と桜が小さな声で答えているのを聞きながら、俺も幸に同調した。





「まぁ種類にもよるけど『優れた美人』とか『純潔』とか、そんな花言葉があるからな」



半分桜に言い聞かせるような、そんなつもりで言ったのに、桜は俺が花言葉を知っていることの方に驚いているようだった。





「良く知ってますね。そんな、花言葉なんて」



「そりゃあ。まぁ…」



実家が花屋だからな…


てか、そんなことは今どうだっていいんだよ。



そんな中、ぴったりね!と幸が声を掛けた途端桜は居心地悪そうにして店の奥に行ってしまった。





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