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第26章 惑疑 章82第
何を落ち着いてるのか。
正直俺は拷問とも言えるほどの寸止めに、苛立っているし、ムラムラして仕方がない。
「じゃあ私も」
何事もなかったかのように葵の後を追って、更衣室に向かおうとする桜の手首を反射的に掴む。
そして、名前を呼ぶと桜は唇をぎゅっと噤みながら俺の方に向き直った。
「は…い…」
「……今日……泊まれよ」
またあからさまな誘い。
でも、これでもかなり抑えただろ…
そもそも俺は唐突に禁煙を強いられていて。
さらに桜とは久しぶり、そんでそんな中、散々煽られて、今すぐにでも押し倒して抱き潰したいのを阻まれ…───
目をキョロキョロと動かした桜は、少し考えた後、コクリと首を縦に振った。
それがあまりに可愛かったのと、妙に嬉しかったので俺はまた凝りもせず少し屈んでまた桜の唇を塞いだ。
「っ……─────ん」
……また調子に乗ると止まんなくなるっ…
反省しながら、俺はすぐに唇を離すと「もう終わり…?」と言わんばかりの溶け切った顔を向けてきたので、俺は悶々とするのを紛らわすかのように乱暴に頭をかいた。
「着替えてこい……」
「………はい」
スタスタと更衣室に向かう桜の背中を見つめる。
早く今日の営業終わんねぇかな…
始まる前からそんな事を考えながら、俺は仕込みの作業に取り掛かった。