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第4章 店お 章3第
つられて、俺もカウンターから身を乗り出して奥を見る。
すると、若い男の客に桜がグッと腕を掴まれていた。
おい……まじで勘弁してくれ…
「まぁ、桜ちゃんかわいいから仕方ないわねぇ…」
自分の店で見慣れているのか、呑気な幸にも腹が立って、俺は思わずカウンターを出た。
ったく…
何も知らねぇやつが、軽い気持ちで桜に近付いてんじゃねぇよ。
ごにゃごにゃと話しているその男と桜のところへ向かう。
そもそも、絡まれているというのに、ぼんやり突っ立っている無防備な桜にも腹が立つ。
どうでもいいとか、どうせそんな事を思ってんだろう。
なんて声を掛けようか、そう考えながら近付くと、その男はまた桜の腕を掴んで引き寄せた。
その様子を見て
「お客さん───」
考える暇もなく、無意識に俺は逆の桜の腕を強く引っ張った。