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第5章 ナンパの女
「ダメ?」
「あぁっ…と……」
答えに窮しながら、色々なことに考えを巡らす。
「やっぱ彼女いるんですか…?」
「いや……」
いねぇ…けど。
「じゃあいいじゃないですか…」
何も言えねぇ。
なごみの言う通りだ。
チラと桜の顔が浮かんだ…けど…──
─────父親気取りですか?
─────別に困ってないし、助けてくれなくていいですよ
─────何も知らないくせに
俺は……
いつまでだって桜が話すのを待ってやるつもりだ。
でも、別にそれは、なごみの誘いを断る理由にはならない。
仮に桜が俺を頼ってきたとしても、それはあくまで俺を“親父”のように思って頼ってくるんだろうし……
………とにかく、今後桜とどうにかなることはないということは自明だ。
「そう……ですね」
俺がそう返事をすると、なごみは嬉しそうに立ち上がって、じゃあ決まり!と叫んだ。