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第6章 子迷 章6第
しばらくして、少し桜の泣き声が落ち着いてきた頃、俺は抱き締める力を少し弱めた。
「………桜」
「っ……はい…っ」
あまりに勢いよく泣いたせいか、しゃっくりが止まらない様子の桜が愛しくて、思わず緩めた腕にまた力を入れてしまった。
「タオルと着替え……取ってきてやるから……」
「っ…はっ…い…っ」
そう言ったものの、中々腕の力を緩められない。
あー……離したくねぇ…
けど…
このままじゃ風邪引くよな…
そんな事を思いながら、俺は息を吐く。
そして、少しだけまた腕の力を強めて桜を引き寄せたあと、桜にはバレないようにその濡れた髪に口付けて体を離した。
「……すぐ戻るから…ここに座ってろ」
「……っ…は…いっ…」
桜はそう返事をしながら、ギュッと俺のワイシャツを握っていた手を離した。
俺は、桜がカウンターに腰掛けたのを見た後、タオルと着替えを取りに二階の自分の家へと向かった。