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第6章 子迷 章6第



タオルと、洗濯したばかりのワイシャツと、紅茶の茶葉の入った缶を掴んで、俺は階段を下りた。



心配と



苛立ちと



喜び。




本来なら相容れるはずのない感情が体の中でごちゃまぜになってるのが分かる。



抱き締めたときの感覚。



桜は見た目よりも細くて、壊れてしまいそうだった。




「……ったく……っ」




店に入る前に、ぽつりと独り言を言って、俺は息を吐いた。



こんな時に、本当に何を考えてんだ……



早く桜のところに行って、着替えを渡してやるべきなのに、箍が外れたように2年間溜め込んだ想いが溢れ出ている。




左右に激しく頭を振った俺は、どうにか雑念を取り払って店の中に戻った。




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