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第6章 子迷 章6第
中に戻ると、桜はカウンターに座りながら、小さく震えていた。
「桜……」
「すみません…っ」
顔を上げた桜は、手の甲で涙を拭う。
俺はワイシャツと紅茶の缶をカウンターに置くと、すかさずタオルを桜の頭に被せた。
「いいから……」
「……っ」
「そのままだと風邪引くだろ」
俺が差し出したワイシャツを、桜は躊躇いがちに見つめている。
その様子を見て、さらにワイシャツを桜の方に差し出すと、桜は慌ててそれを受け取った。
「俺のだからデカいだろうけど……。着替えてこい」
素直にコクンと頷いた桜はそのままゆっくりと立ち上がって裏に入っていった。