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第6章 子迷 章6第



そのマグカップを見て微かに目を見開いた桜は、ゆっくりとそれを両手で掴んだ。




「落ち着いたか?」



「……すみません」




何に対する謝罪なのか…よく分かんねぇけど…



俺は元気のない桜にいつも通り手を伸ばしてタオル越しに頭を大袈裟に撫でた。




「………」




いつもみたいに睨んでこない桜がもどかしくて、視線を落とすと、緩くまくられた桜の袖がふわりとほどけた。




「やっぱシャツでかいな」




そりゃあそうだ。


桜は、女にしちゃ身長は高い方かもしれないけど、線は細い。



俺は身長やら肩幅やら色々デカいから、布が余りまくっている。




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