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第6章 子迷 章6第



「いや……大丈夫です」



……こいつって…ホントいつも「大丈夫」ばっか言って強がるよな。



呆れた俺は、思わずカウンターから出ると、桜の隣の席にカウンターを背にして腰掛けた。



タバコに火を付けて、少し落ち着くと桜の腕を掴んでダボついている袖を捲った。




「……大丈夫ですって……」



うるせぇな。




「いいから」




俺がやりたいからやってんだよ。




観念したのか、桜は抵抗することもなくそのままジッとしていた。




細い腕。


自分を傷付けたりしている痕がないのを見て、少し安心した。





「……やっと来たな」




袖を捲り終わって、俺はぽつりと小さな声で呟いた。



すると、桜はしばらく黙り込んだ後、「行くところなくて…」と答えた。




「そうか…」




そんな中、ここに来たっていうのは…




桜にとって、ここは逃げ場になれてるってことなのか。





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