この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
bloʇbnilᙠ
第6章 子迷 章6第
「いや……大丈夫です」
……こいつって…ホントいつも「大丈夫」ばっか言って強がるよな。
呆れた俺は、思わずカウンターから出ると、桜の隣の席にカウンターを背にして腰掛けた。
タバコに火を付けて、少し落ち着くと桜の腕を掴んでダボついている袖を捲った。
「……大丈夫ですって……」
うるせぇな。
「いいから」
俺がやりたいからやってんだよ。
観念したのか、桜は抵抗することもなくそのままジッとしていた。
細い腕。
自分を傷付けたりしている痕がないのを見て、少し安心した。
「……やっと来たな」
袖を捲り終わって、俺はぽつりと小さな声で呟いた。
すると、桜はしばらく黙り込んだ後、「行くところなくて…」と答えた。
「そうか…」
そんな中、ここに来たっていうのは…
桜にとって、ここは逃げ場になれてるってことなのか。