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第6章 子迷 章6第
こっちはもう、2年も辛そうなのを見てきてんだ。
どんな話だろうが、受け止める覚悟はとっくに出来てる。
桜の頰に、涙なのか雨なのか分からない水滴がついていて、俺は思わずタオルの端を掴んでそれを拭った。
不安そうな表情で俺の顔を見上げている桜。
そういう顔すんなよ……
「どんな話でもちゃんと聞いてやるから。だから大丈夫だって、そういう意味」
何でも俺にぶつけてくればいい。
受け止めてやるから。
俺の言葉を聞いて、桜はまた目に涙を溜めた。
……安心させようとしたつもりだったけど…逆効果だったか…?
そんな事を思っていたら、桜は少しホッとしたような表情を見せた。
それに俺自身もホッとして、溢れそうになっている桜の涙を再びタオルの端で拭った。