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第6章 子迷 章6第
「……それから、2年間ずっとそのままです」
あまりの内容に、何とか落ち着こうとタバコを吸うが全く落ち着かなかった。
「何か変わるかなって思ったんですけど……本当にバカでした」
「………………」
「かずにぃは私を抱きながらずっと『薫』って…そればっかり。一度だって私の名前を呼ばないし……」
「……っ…」
「耐えきれなくてっ…だから……樹の気持ち気付いてるのにっ……私はそれを利用して…っ」
桜は、いつも日によって三種類の違う香りを纏っている。
一つ目は桜んちの。
あとの二つは……和明ってやつと樹ってやつの…ってことだな…
当たって欲しくなかった予想は当たってた訳だ……。
「……かずにぃにされてることを…私は樹にしてる。目隠しをして、都合のいい世界の中で…穢れたことばかり」
「─────…」
「お姉ちゃんのこと大好きなのにっ……死んで欲しいってっ……そんなことまで考えて…」
「………」
「私はっ……穢れてるんです」
桜が話し終えたあと、俺は2本目のタバコを少し乱暴にもみ消した。