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第6章 子迷 章6第
「なんか…新しい植物が…」
「っ……」
呑気に笑っていたら、思わぬ言葉に俺は息を詰まらせた。
新しく植えたのは、この前実家で親父からもらったリナリアしかない。
「……あの、葉っぱが細いやつか?」
もう眠ってしまう。
そんな桜にゆっくりと近付いた。
「ん……」
それは返事なのか、寝言なのか、分からない。
「あれはな」
起こさないように、静かな声で言葉を続ける。
すると、桜は瞼を閉じて、小さく寝息を立て始めた。
「お前に向けた花だ……」
リナリア。
その花言葉は
『この恋に気付いて』───