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あの星に届かなくても
第4章 過ちはまどろみの中
電気を消して冷たいベッドに潜り、眼鏡を外す。携帯のホーム画面を確認するとすでに日付が変わっていた。アラームを開いて七時にセットし、枕元に置いた。
エアコンの動作音だけが漂う中、静かに目を閉じる。不意に、揺れる豊満な双丘と毛のない恥丘の映像が目の前に迫り、宗介は低く呻いた。振りはらおうとしても、天を向く屹立を嘲笑うかのように先端に押しつけられた濡れそぼる蜜口の感触がよみがえり、その先を想像してしまう。
身体の中心に猛りを感じはじめ、宗介はまぶたを開いて上体を起こした。布団を乱暴にめくる。深いため息が暗闇に消えた。
すでにテントを張っているスウェットと下着を一緒にずり下げると、硬く育ちきった自身を握り、無心で慰めた。
「……っ」
張り裂けそうな欲望を解き放つためだけに、女の完璧な肉体を貫く。自分の上で仰け反る女。突き出されたふたつのふくらみが上下に激しく揺れる。その細い身体を腕に抱いてソファに寝かせ、最奥を突き上げる。揺さぶり続ければ、女が高い嬌声をあげながら絶頂の意思を示す。
「はあっ……」
宗介は、ベッドの脚元に置いてあるティッシュ箱に手を伸ばしすばやく数枚抜き取ると、先端に被せた。そして湧きあがる射精感のまま、抗うことなく熱い欲を放った。
余韻の中でしばらく荒い呼吸を繰り返したあと、爽快感と倦怠感の狭間で後処理をし、丸めたティッシュをゴミ箱に投げ入れた。ベッドに仰向けに倒れ込むと、入れ替わりで慧子の誠実な顔が浮かぶ。愚かな男の自慰を咎めるように。
「……最低だ」
吐き捨て、まぶたを下ろし、待つ。誰にも知られることのない過ちが、ひっそりとまどろみの中に溶けていくまで。