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赤い花~情欲の檻~
第1章 序章~砂漠にて~
ここから一歩踏み出せば、後は悠久のただ砂だけの世界。そして、私が待ち望んだ永遠の魂の安らぎを得られる。
さあ、踏み出すのだ。私はサンダルを履いただけの素足を一歩前へと踏み出す。明らかに普通の土とは違う砂を踏みしめる感触とともに真昼の暑熱を含んだ砂の熱さが剥き出しの肌に伝えてくる。
ここから先は、永遠に戻ってはこられぬ死の世界なのだと。
だが、人は生きるのも死ぬのも所詮は一人。私は自分に言い聞かせながら、なおも歩を進めていく。どうして私はそんな当たり前すぎることを知ろうとしなかったのだろう。そして自分の気持ちをごまかし続けてきたのか。
あの日、私が彼の傍から永遠に去っていくまで、愚かにも知らないふりなどしていたのか。
さあ、踏み出すのだ。私はサンダルを履いただけの素足を一歩前へと踏み出す。明らかに普通の土とは違う砂を踏みしめる感触とともに真昼の暑熱を含んだ砂の熱さが剥き出しの肌に伝えてくる。
ここから先は、永遠に戻ってはこられぬ死の世界なのだと。
だが、人は生きるのも死ぬのも所詮は一人。私は自分に言い聞かせながら、なおも歩を進めていく。どうして私はそんな当たり前すぎることを知ろうとしなかったのだろう。そして自分の気持ちをごまかし続けてきたのか。
あの日、私が彼の傍から永遠に去っていくまで、愚かにも知らないふりなどしていたのか。