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赤い花~情欲の檻~
第2章 MemoriesI
MemoriesI
バッグの中でかすかに音が聞こえたような気がして、美華子(みかこ)は慌てて手にしたバッグを開けた。何ヶ月か前の二十代向け女性誌の付録についていたそのバッグは、なかなか重宝している。帆布でできていて、アイボリーを基調とした地に黒のリボンが控えめに幾つかついている。全体的にモノトーンのデザインで、大人可愛いところがOLの通勤にも向いている。
やはり、携帯が控えめな音を響かせていた。美華子はメタリックレッドの二つ折り携帯を取り出し、開く。〝新着メール〟の表示があり、更に開くと、祥吾からのメールが来ていた。
―今、ドルフィンにいる。お前もそろそろ出てこられる頃合いか? 祥吾
バッグの中でかすかに音が聞こえたような気がして、美華子(みかこ)は慌てて手にしたバッグを開けた。何ヶ月か前の二十代向け女性誌の付録についていたそのバッグは、なかなか重宝している。帆布でできていて、アイボリーを基調とした地に黒のリボンが控えめに幾つかついている。全体的にモノトーンのデザインで、大人可愛いところがOLの通勤にも向いている。
やはり、携帯が控えめな音を響かせていた。美華子はメタリックレッドの二つ折り携帯を取り出し、開く。〝新着メール〟の表示があり、更に開くと、祥吾からのメールが来ていた。
―今、ドルフィンにいる。お前もそろそろ出てこられる頃合いか? 祥吾