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赤い花~情欲の檻~
第3章 MemoriesⅡ
 美華子はまだバスタオルを身体に巻き付けたままだというのに、彼のその落ち着きぶりはどうだろう! こんな時、美華子はいつも普段は優しい彼が恐らくは隠し持っているのであろう冷酷さを感じた。
 あれほど一方的に美華子を求めておきながら、事が終われば女など無視して、さっさとシャワーを浴び服を着込む。それは毎度のことだったから流石に慣れてはいたが、やはり面白いものではない。
 まるで自分が無視されているような、置いてきぼりを喰らわされたような気になってしまう。彼との関係を持ち始めたばかりの頃は、まだ全裸の美華子を残して、さっさと身繕いを済ませた彼を見ると、自分が身体だけを提供する売春婦にでもなった気分で、惨めになったものだった。
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