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赤い花~情欲の檻~
第2章 MemoriesI
美華子はつい頬が緩みそうになるのを精一杯堪(こら)えた。と、数メートル離れた先にいた後輩の女子社員がつつーうと近寄ってくる。
「一ノ瀬先輩、何か良い知らせでもあったんですか~?」
「別に。親からのメールよ。今日は飲み会もないんなら、さっさと帰ってきなさいよって」
「ホントにィ~?」
後輩の辻村遥香は根は悪い子ではない。短大を卒業してから八年目の美華子よりは二歳若い。しかし、四大を出てから入社したので、キャリアとしては四年の違いがある。
美華子の勤務するI社は比較的名の知られた家電メーカーだ。美華子は地元の短大を出てから、ここI市の本社にずっと勤務している。所属は人事部である。遥香も同じく人事部の後輩である。
「一ノ瀬先輩、何か良い知らせでもあったんですか~?」
「別に。親からのメールよ。今日は飲み会もないんなら、さっさと帰ってきなさいよって」
「ホントにィ~?」
後輩の辻村遥香は根は悪い子ではない。短大を卒業してから八年目の美華子よりは二歳若い。しかし、四大を出てから入社したので、キャリアとしては四年の違いがある。
美華子の勤務するI社は比較的名の知られた家電メーカーだ。美華子は地元の短大を出てから、ここI市の本社にずっと勤務している。所属は人事部である。遥香も同じく人事部の後輩である。