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赤い花~情欲の檻~
第2章 MemoriesI
「何か怪しいですねぇ? 今のメールって、お家からじゃなくて、営業の木梨さんからじゃないんですかぁ」
この語尾を甘ったるく伸ばす喋り方は、遥香本人は気に入っているらしい。現実として、おやじと呼びたい管理職連中はこういうタイプの若い子を好むらしいが、美華子としては、ただ苛つくだけだ。
「そう? 変な勘ぐりは、はっきり言って迷惑なんだけど」
美華子は先輩と後輩の一線をつけるように、ピシリとした口調で言った。
「先輩、何もそんなに怒らなくても」
遥香が少し気圧されたように言った。
この語尾を甘ったるく伸ばす喋り方は、遥香本人は気に入っているらしい。現実として、おやじと呼びたい管理職連中はこういうタイプの若い子を好むらしいが、美華子としては、ただ苛つくだけだ。
「そう? 変な勘ぐりは、はっきり言って迷惑なんだけど」
美華子は先輩と後輩の一線をつけるように、ピシリとした口調で言った。
「先輩、何もそんなに怒らなくても」
遥香が少し気圧されたように言った。