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赤い花~情欲の檻~
第2章 MemoriesI
 しかし、美華子は構わずに断じる。
「うちの会社の社則は、あなたも知ってるでしょう? 迂闊なことは言わないでね?」
 美華子は言うだけ言い、携帯を放り込んだバッグを肩にかけた。
「それじゃあ、私はお先に」
「お疲れ様でしたぁ」
 遥香独特の声に見送られると、余計に疲れが増すようだ。美華子は振り向きもせずに会社の女子用ロッカー室から出た。
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