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甘党な愛
第11章 十一

 起きてうっそぴょーんとか言ったら殴ろう。

「……八雲。ねぇ、起きてるんでしょ?」

 八雲の前に立つと、八雲の寝顔を見ながら質問した。……が、

「……ぐー、ぐー……」

 八雲は寝息を立てながら寝ている。気持ち良さそうに。

「……」

 キス……してぇ。八雲の寝顔を見ていると、衝動的にそんな思いが沸き上がってきた。何故だろう。さっきあんなギャップのある八雲を見たから?

「……起きてる、よね?」

 首に巻いたままのマフラーを右手でぎゅっと握り締めると、私はそのまま八雲の唇へキスをしていた――
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