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甘党な愛
第2章 ニ
……確かに、恵のことなんか興味無い。毎晩、違う女を家に連れ込んでいようが口出しするつもりはない。だが、しかし、給料のことになると別だ――
「いや、私の給料、親のお金で支払っているんだろ!?それは違うだろ!」
「……ちょっと藤咲さん、何処行くの?」
「恵の部屋に決まっている!」
「っ……!」
箒を床へすぽーんと投げ捨てると、私は足早にドアから広間を出て、廊下にある二階への階段を上り始める。
「今言うなって言っただろ!」
後ろから悲鳴に似た様な後嶋の声が聞こえてきたがお構い無く、そのまま二階の端にある恵の部屋へと向かった。