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甘党な愛
第14章 十四
そして翌日、私は人妻になりました。
「でさ~、俺達結婚したから!」
食堂で四人揃って朝食を食べている最中に、恵はまた唐突に話し出した。両手には婚姻届(保管用)を持ち、葎と八雲に見せつけている。
「……」
「……」
二人ともポカンと口を開けているというのに、話が止まらない。
「桜見た後にすぐ俺の部屋で婚姻届書いて貰って~、その後俺が出しに行って~、あ、保証人のとこは二人とも友達に書いて貰ったんだけど~」
空気読めてないから。そう恵以外は思っている筈だ。
「結婚なんて初めてだから昨日寝れませんでした~!」
海外旅行初めてだから昨日は寝れませんでしたみたいに言うな。
「これから椿ちゃんは俺の奥さんだから、二人ともこき使うなよ?椿ちゃん、二人に意地悪されたらすぐ俺に言いな!」
何急にイキッてるんだ。
「……どうも」
私は椅子に座り納豆を箸でぐるぐると混ぜながら、無表情で呟いた。