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甘党な愛
第14章 十四
「椿ちゃん、ラブラブでいようね!なんたって、俺達新婚だもんね!」
どうも言葉に語弊がある……。
「新婚と言っても、偽りの夫婦だろ」
納豆を混ぜる手を止めて、真剣に言った。それに恵も私のこと好きなんて思ってないんだろ?これは単なる人助けだ。恵が本物の婚約者と結婚する為の。それまで、籍を入れとくっていう話だ。
「……ありえねぇだろ。お前ら……」
八雲も納豆を箸で混ぜる行為を止めると、呆れたように話し出す。
「用は、恵は親の選んだ女と結婚したくないから、こいつと籍入れたんだろ?頭おかしいだろ。メイド……お前も、それで良いのかよ?」
「……」
良いわけない。そう答えたかったが、恵と八雲に挟まれ、八雲の冷たい瞳で睨み付けられ、何も言えなかった。