この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
甘党な愛
第14章 十四

「……好きだ」

「……」

 私が呟くと、八雲はお皿とフォークを受け取りながら呆然として私を見てきた。……ヤバい。また言ってしまった。どうなってるんだ、私の口は。止まらない。

「好きだ。好きだ。好きだ。好きだ」

「おい、やめろ。急に何を言い出して……」

「八雲が!好きだ!諦められない!」

「だから俺は、結婚するって言ってんだろ」

 私の言葉に驚きながらも、受け取ったミルフィーユを食べ始める八雲。すると、一口食べて、

「うまい……」

 幸せそうに呟くと、無愛想に私を見る。

「おい、俺はお前の作る料理は好きだ。料理はだぞ?だから、もっと自信持て。お前なら他に良い男と付き合えるから……」

「……」

 その言葉だけで、私は救われた。

「頑張る……」

 何を頑張るのか分からないが、兎に角泣きそうなのを堪える。……八雲の結婚が中止になれば良いのに。そう思っていた気持ちは、八雲の言葉を聞いて応援と変わっていた。

「八雲も婚約者と幸せになってくれ」

「ありがとな、椿」

 心から願う。八雲が幸せになることを。そして私も、必ず八雲と同じくらい好きになる人を見つけよう――……

この日から三週間後、八雲は屋敷を出ていった。
/310ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ