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第15章 十五

「っ……やめ……」

　口内へ侵入してきた舌により、ねっとりと舌先を舐められるとぞくぞくと鳥肌が立つ。

「っ……っ……」

　話したいのに深く唇を塞がれているせいで、頭を八雲の方へ引き寄せられているせいで話せない。聞きたいことが沢山あるのに。

「んっ……っ……」

　何で帰って来た？まさか、酔って家を間違えたのか？よりにもよってキス魔な状態で帰ってくるなんて。

「メイド……男できたか？」

「出来るわけないだろ……」

「じゃあ俺のになるか？まだ俺のこと好きなら……」

　そのまままた唇を塞がれると、何度も上下唇を啄まれる。

「っ……」

　ヤバい。くらくらしてきた。八雲の唇に翻弄されて。唇の熱が移って、私も熱くなってきた。

「キスして……お前からも……」

　両頬へ両手を添えながら甘えるようにねだられると、私は気絶しそうになる。

「っ……！」

　出来るわけないだろ。私からなんて。既に心臓爆発しそうなのに。