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甘党な愛
第15章 十五
「椿……キスして……」
「っ……」
ダメだ。持っていかれる。心も体も全部。私はまだ八雲が――……
「うん……」
そのまま八雲の唇へ自分から口付けると、すぐに唇を離す。だが……
「足りねぇ……まだ……ベッド行くぞ」
「っ!?」
腕を引っ張られ階段の方へ八雲が歩き出すと、息を飲んだ。
「ベッド!?……ちょっと、それは……」
無理だ。絶対マグロにしかなれない。そんなマグロの私を見た後、八雲が私を見下したように笑う姿が嫌でも想像出来る。
「良いから来い」
「頼む!マグロだけは!見られたくないんだ!」
「マグロ?……部屋でマグロでも飼ってんのか?」
私の言葉に一瞬不思議そうにする八雲。しかし私の手を離し、足を止めることはなかった。