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甘党な愛
第17章 十七
「ありがとう……恵」
本当に優しくて、頭が上がらない。こんなに良い奴なのに、私のことも好いてくれるなんて。好きになれなくて申し訳なかった……。
「籍は抜いても、メイドは辞めないでね?」
「うん……」
「これで俺は別の誰かと結婚することになるかもしれないけど、椿ちゃんのこと好きになれて良かった」
恵の言葉に返事をしながらベッドで体を起こすと、笑顔の恵にぎゅっと体を抱き締められる。けど、私は今度抵抗しなかった。抱き締められたまま、穏やかに微笑んだ。
「私も……恵から好いて貰えるなんて、勿体ないことだった。ありがとう――……」