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甘党な愛
第18章 十八
その後すぐに恵は離婚届を書いてくれて、部屋から出ていった。それから暫くして、私もベッドメイキングの為に部屋を出る。……すると――
「恵と何を話してた?」
部屋の前の廊下に八雲が立っていて、私を見るなり聞いてきた。
「別に……ただの世間話……」
「お前、俺に嘘つけるようになったか?」
キョロキョロと目を泳がせながら答えると、即効気付かれてビクッとする。
「……本当だ!」
「へぇ……だったら……」
「ちょ、何だ!」
メイド服の首根っこを掴まれ、再び私の部屋へリリースされると戸惑う。しかし――ソファにぽいっと体を投げ捨てられ、覆い被さってきた八雲から口付けられると固まった。
「……」
熱い。また体中の熱が上昇する……。また何で、私にキスを。そう思いながら、一瞬鬼沢さんの言葉が頭によぎった。
『八雲は繊細ですから』
……まだ元婚約者のことを忘れられないんだろうか。寂しくてこんなに私へキスを……?