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甘党な愛
第20章 二十

 ひょっとして、私は少し誤解していたのだろうか。勝手に悲観的になっていた?

「ママ、私にだけ冷たかった……」

「躾だと思って厳しくしたことは謝るわ……。ヒーローごっこで窓は割るわ、壁は壊すわ、包丁は投げるわ、手に負えなかったのよ……」

「本当に、血の繋がりは関係ないと思っている?」

 ポツリと呟く私へ申し訳なさそうに謝ると、そのままママは立ち上がり私の体を抱き締める。その暖かさだけでママの愛が伝わり、いつの間にか私の頬には涙が流れていた。

「ごめん、ママ……もう私、家出しないから……今日からまたここに暮らすから」

 ずっと親不孝だった。親に迷惑ばかり掛けて。でも今からは、親孝行したい……。

「……」

 そのままママを抱き締め返すと、またポケットから『ピコン』と携帯音が聞こえてくる。しかし私は携帯を手に取らずに、暫く居心地の良い温もりに安心していた――……

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