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甘党な愛
第23章 二十三
折角八雲と付き合えるようになったのに。それでも私の気持ちを八雲と離ればなれになる方へと突き動かすのは、パパに親孝行したいから。……ではなく、私も一人の人間として何か成功したいという願望と希望があるからかもしれない。
「……」
明香姉さんはモデルとしての道を突き進んでいるし、ママもミュージカル女優として日々を楽しんでいる。私も……二人のようになりたい。
「……分かった。行く……」
「じゃあ、社長にそう伝えておく。後6日で荷造りしておけよ」
私の返事を聞くと、星窪は微笑みながら部屋から出ていく。途端、静かになった部屋。私はぼんやりと、急に子供の頃の事を思い出した。