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甘党な愛
第23章 二十三

 ……――結局台湾に行くこと、話せなかった。どうしよう。後6日で、日本を発つというのに。

「八雲、好きだ!」

「だから分かったって……」

 あれからずっと八雲の部屋でソファに並んで座りながら、テレビを見ていた。

「……キス……」

 八雲の腕に抱き付いて、うんざりしている八雲に甘える。と、すぐに八雲から唇へ軽く口付けられる。

「……」

 だが、そのまま口付けは濃厚なものになっていき。八雲から上下唇を食むように何度も繰り返し吸い上げられると、私は逆上せながらも幸せを感じた。

「ん、ぅっ……」

 やっぱりこのまま、台湾行きをやめようか。ずっと八雲の側にいたい……。結婚して、子供は三人。男、男、女……って、想像しただけで幸せ過ぎる!

『速報です』

 唐突にテレビから女性アナウンサーの声がすると、妄想も止めることになったが。

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