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甘党な愛
第23章 二十三
「……」
やっちまったな。……でも、ああ言うしかなかった。台湾に行く気持ちはやはり変わらないし、今全国区で記者会見までされて……きっと取り止めることは難しい。
「ごめん、八雲……」
私は一人残された部屋で呟くと、そのままソファのクッションをぎゅっと抱き締める。八雲の匂いだ……。このクッション、こっそり台湾に持って行こう。
「……」
そのままいそいそとクッションを持ち、ドアの前に置いていたスーツケースの中へ直す。しかし心はここにあらずで、スーツケースを閉じてからも、暫くは呆然としたまま床に座り込んでいた。