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甘党な愛
第25章 エピローグ

「八雲、好きだ……」

「……だから、分かってるって」

「何でそんなに冷たいんだ!まさか、結婚詐欺?!」

 八雲の腰に座ったまま、両手で自分の口を押さえる。

「……気付かなかった。八雲が、パパの遺産をねらっていたなんて……」

「何でそうなる!違うに決まってんだろ!」

「じゃあ、何で……」

 悲しくなりながら、しゅんと落ち込みつつ話す。すると、

「会社の跡を継ぐ為に勉強してるから、忙しいんだよ。悪いな……」

 申し訳なさそうに八雲が私の頭を撫でた。

「そうか……勉強か……」

 なら仕方ない。八雲も会社の為に、初めての仕事を頑張ってくれている。プレッシャーも半端ないと思う。私はそんな八雲を支えないと……。

「頑張ってな、八雲。邪魔しないようにするから……」

 そのまま私は八雲から降りようとした。……が、八雲の股の間からジーンズ越しに硬い感触がしていることに気付くと同時、八雲が気まずそうに話すと降りるのを止めた。

「……ちょっと待て。一時間なら……良い」

「えっ?!」

 たってしまったのか。……たってしまったんだな。

「椿……そのまま、来い」

 気恥ずかしそうに八雲が私に向かって両手を広げる姿を見ると、そんな事口が滑っても言えなかった。
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