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甘党な愛
第4章 四

 夕食の後片付けを終え、お風呂も済ませた後、私はパジャマ姿で恵達三人と二階の廊下にいた。

「何で私が恵の隣の部屋なんだ!」

「えー、別に良いじゃん。俺の隣で」

「……」

 嫌だ。絶対に嫌だ。そう言いたいが恵の笑顔を見ながら、今日の冷たい目付きを思い出して口ごもる。……恵って、怒らせたらいけないタイプかもしれない。ここは言うことを聞いとく方が良いんだろうか。というか、隣の部屋が恵の部屋ということより一番嫌なのが……。

「……」

 隣に立っている八雲へチラッと視線を送ると、私の表情は自然とうんざりした表情へ変わった。……隣の部屋が八雲の部屋とか絶対嫌だ。屋敷へ更生させられに来た奴なのに。どうする?急に部屋へ入ってきて、暴力をふるわれでもしたら……。

「おい、何だ、そのイワシみたいな顔は。てめぇ、まさか、俺の隣が嫌ってわけじゃねーだろうな?」

「ま、まさか……嬉しいです……嬉しすぎて吐きそうです……」

 私の表情に気付いた八雲から睨み付けられると、私は頬をひきつらせながら作り笑いした。
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