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甘党な愛
第5章 五

 でも良かった。覚えられていたら、『俺がキスしてやったんだ、金よこせ』なんて脅迫でもされそうだから……。

「あ、そうそう!椿ちゃんに仕事頼みたいことあるから、朝食の後片付け終わったら俺のとこ来てくれる?」

「……分かった」

 緊張しながら八雲のことを考えていると、恵から言われて私は味噌汁と箸を持ったまま頷いた。……今日も1日メイドの仕事が始まるというのに、何故こんなにも憂鬱なんだろう。私はそのまま自然とため息を吐いていた。
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